京都千年天文街道

天文と歴史のツアー開催中

 主催: 認定NPO法人花山星空ネットワーク
 共催: 京都大学大学院理学研究科附属天文台
 後援: 京都府教育委員会 、京都大学総合博物館、京都市教育委員会
 協力: 京都情報大学院大学、恒星社厚生閣

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百万遍知恩寺除夜の鐘

 今年も除夜の鐘を衝きに行きました。今年のお寺は京大理学部から至近距離の百万遍知恩寺にした。この前を何度通ったか数え切れませんが入ったことはありませんでした。

 お寺に到着したのは10時20分位。雨が降っていたのですが、気温は比較的高く、寒さは感じませんでした。お寺には裏側から入りましたが、先ずはお寺の大きさにびっくり。京都のお寺はどこも奥が深い!既に本堂を取り巻くように行列ができていたので、早速並びます。本堂の大きなひさしのおかげで傘が無くても雨は大丈夫。行列は少しづつ進んでいきますが、並ぶ人は増えています。

 10時45分から法要とあったので順に本堂に入っていきます。やがて我々の順番が来て、靴と傘を入れるビニール袋を渡され靴を脱いでお堂に上がります。入り口で整理番号入りのお土産を渡されます。整理番号は109番。微妙な番号です。108つの煩悩を払えるのか、それともあと一歩で逃してしまうのか?お堂の中には既に沢山の人が畳に座っています。我々も正面左側に鎮座。時を待ちます。お堂はかなり一杯になり、恐らく150番位まで発行されたのであろうか、300人位は入っていると思われるます。かなり大きなお堂です。お土産を見てみると、小さな手ぬぐいと厄除け札。合掌!

 10時45分に僧侶が入場し読経が始まります。しばらくすると、お坊さんが四方の壁に掛けてある大きな木製の数珠を下ろし、全員に立ち上がるように指示。数珠は一玉が握りこぶし位で、それがお堂を一周しています。優に100メーターは超えている。それを膝を着いて全員で体の前で持つのですが。結構な重さです。僧侶の合図でこれを一斉に反時計回りで送り始めます。数珠操りというそうだ。どんどん送るのだが、これがかなり速いので、びっくり!早歩き位のスピードだ。途中で何個か大玉の数珠がある。ハンドボール位の大きさでこれが来たら頭を垂れて拝むのだ。堂内一杯に広がった300人位の人が一体感を持って一生懸命に送っていくのだ。今まで聞いたこともない行事だ。

 疲れてくるが、一向に終わる気配がない。修業はつらい。無の心で一心に数珠を送る。しかしときどき手を放し、膝を和らげ、お休みを入れることにする。修業は続くのだ。やがて数珠繰りは終って元の位置に戻るように指示がある。修業は成就したのだ。最後の読経があり鐘撞に移動することになる。気が付けばもう11時半だ。

 お坊さんが先に行き、鐘を衝く前のお勤めがある。お堂の中の人は先ずは60番までが外に出て鐘撞堂の前に並ぶ。後の番号の人も順次外にでていく。衝くのは番号順なので、並ばずに勝手気ままに待ってもいい。108番以降は並んだ順に衝かせると説明しているのだが、109番はどうなるのだろうか。ちょっと心配???

 我々はお堂の中のストーブに当たりながら本尊に焼香して待つ。除夜の鐘が鳴り始める。順調に進んでいく。少しして外に出て列に並ぶ。甘酒のサービスがあるので途中で貰いにいく。軽いスナックも用意してある。お坊さんが今は何番台と案内もしてくれたりと、実に手慣れた感じだ。

 列が進み順番が近づいてくる。108番までは呼ぶが次は列を詰めて下さい、と言うだけ。整理券が108迄しか出していないと思っているのだ。しかし後の番号を持っていることを伝えられると、やっと109番を言ってくれた。これで、衝ける! 二人で思い切り セ~の!

 ゴーン~~~~~!!!!!

 今年も気持ちよく衝けた。12時半位になっていた。今年も良い年になるぞ!!!

智積院除夜の鐘

 22年の大晦日はいい天気でした。半月がきれいに輝き、オリオンがここぞとばかりに光っていました。風が無いので、それほど寒さは感じません。さて今回も恒例の除夜の鐘に出掛けます。

 今年は智積院を選びました。毎年出場している弓道大会を催す三十三間堂からすぐですし、なかなか人気があるというので一度来てみたかったお寺です。(尚、三十三間堂の弓道大会は警備での出場です、念のため。)今年も1月15日は出場します。晴れ着の二十歳の女性を見るのが楽しみです。

 入口から車で奥に入っていくと、大きな駐車場があります。暗いのが難点ですが、無料で停められるので文句は言えません。車を降りて鐘撞堂の方へ歩いていくと、既に長い列ができていました。11時20分位です。最後尾に並びましたが、入口から見た感じと違い境内は非常に大きく、すぐそこに見えている本堂もかなり立派です。京都のお寺はまだまだすごい所がたくさんあると改めて思い知りました。

 さて、並んで15分くらい経つとすぐ横を開けるように言われました。すると奥の寺社からお坊さんが列をなして出てきます。そして私たちのすぐ脇を通り、広々と仕切った場所に入り、読経を始めました。そして真ん中の矢倉を組んだ薪に火をともし、お火焚きを始めました。僧侶の方々はその後そのまま鐘撞堂の方に向います。その姿は見えませんでしたが、10分後位に最初の鐘が衝かれました。ちょうど年が開けたくらいの時間でした。なかなかこのようなお勤めを見る機会はないので、これはちょっと得をした気分です。今年は、ついている、という感じ!

 最初の鐘から10分位たっても列は一向に動きません。待つしかありません。足元から寒さがこみ上げてきます。そのうちにやっと列が動き始めました。ゆっくりですが、流れていきます。足から来る寒さですが、少しでも動いていればあまり感じません。遠めに鐘をついている人が見えてきます。なかなか効率よく流れているようです。

 やっと我々の番です。線香を少し手に付け擦り付けます。手を消毒してから堂への階段を上がります。特別仕切っている人はいないのですが、みんなグループごとに一回衝いてます。我々も二人で思い切り引いてから思い切り衝きます。ごおおおおん。とても大きく鳴り響きます。すぐに次の人に舞台を譲り、鐘撞堂を降りたところで小さなお守りを一人一個づつもらいます。12時40分位でした。所要は並びから約1時間20分位でした。とにもかくにも今年も無事に衝き終わりました。

 衝き終わってから立派な本堂にお参りに行きます。すかさず初詣です。本堂の中には人が一杯です。お坊さんの講和をたくさんの人が聞いておられました。中に少しだけ入ってお参りをして邪魔にならないようにすぐに出て、境内を一周してから帰途につきました。境内を回っていると気が付きましたが、整理券を持った人が並ぶ場所が別の所にありました。多分この人たちが先に衝いたので、最初のころは全く列が動かなかったのだと思います。

 今年はいい年になるかな。今年もきっといい年になりそうです。

方広寺除夜の鐘

今年も行って衝いてきました、除夜の鐘。今年行ったのは方広寺。京都奥立博物館のすぐ近く。雪の降る中を完全防寒で出かけました。あまりにも寒かったので、車でいざ出発。車を停めて少し歩いて方広寺に到着が11時10分くらい。鐘楼を1周取り巻いて更に鐘楼台の下側に少しだけ人が並んでいました。5分もしないうちに住職さんが回ってきて、人数を聞いて、整理券を渡してくれました。38番。108回しか衝けないはずなので、これなら確実に衝けます。

11時半ころになっても恐らく60組くらいしか集まっていませんでした。そうこうしているうちに、スタッフの方が鐘撞台のカギをあけて門をあけます。吊り下げライトを点灯して鐘楼を照らします。台に乗って橦木につながる綱をほどいて垂らす。これで準備万端。このときには雪は一時的に止んで星が覗いたりしていました。何より風のないのが、一番です。毎年大晦日は天気には恵まれていると感謝しています。

方広寺は大梵鐘で知られています。今年はこれを衝いてみたいと思い、選びました。本当に大きな梵鐘で、これだけでも一見の価値あり。また家康が豊臣家を難癖をつけて潰すために利用されたことでも歴史的に有名なお寺です。

11時40分に住職さんが鐘楼台に登ってこられます。45分になるといよいよ簡単なお経をあげて、橦木につながる綱を掴んで、少しづつ勢いをつけて、3回目のスウィングで、ゴーーーーーン。お見事。これが一突き目。すぐに並んでいる人が順に呼び込まれていく。ほとんど2人づつで衝かしてくれて、3人もときどきいる。コロナ対策もあるが、慌てることなく、順番に案内してくれている。落ち着いていて慌ただしさがなくていい。すでに始まっているにも関わらず、並んでいる人はちょうど108組くらいなのだろうか。列はそれほど伸びていません。

鐘楼の周りを順に進んでいく。順番が近づくにつれて徐々にワクワク感が高まっていく。そのうち年も明けて、ところどころで小さな歓声があがる。順番に鐘を衝く人は大きく衝ける人もいれば、かすっただけの人もいて失笑を買っていた。そんな人はやり直しになっていた。やり直しだけは避けたいな。

いよいよ我々の順番。手袋を外して、整理券を渡して、鐘楼の中に入る。荷物を籠にいれて、手にアルコールを吹きかけてもらい、スマホをスタッフに預ける。さて、綱をもち、軽く引き、さらにもう一度少しだけ大きく引く。3度目のスウイングを大きく引いて前に思い切りたたきつける。ゴーーーーーン。今一歩だったが、そこそこの大きな音がした。梵鐘の音が流れるように消えていく。これで煩悩も一緒に消えていくだろう、ネ。スマホを受け取り階段を降りる。並んでいる人の列は既にかなり短くなっていた。

隣の豊国神社で初詣を済ませ、車に戻る。12時30分。1時間半位の滞在だった。車には雪が少しだけ積り、フロントガラスも少し凍っていた。今年も除夜の鐘を衝くことができて、良かった!毎年毎年色々なお寺で衝けて年越しの最大の楽しみになっている。これぞ京都に住んでいる醍醐味です。でも寄る年波に勝てず、眠気に勝てなくなってきている。いつまで続けられるかな。もしツアーでお会いすることがあれば、除夜の鐘談義でもいかがでしょうか。

平等院除夜の鐘

 今年も除夜の鐘を衝きたいと思いましたが、コロナの影響でお寺探しが大変。昨年衝いた黄檗の万福寺始め今までに行ったことのある相国寺、金戒光明寺、真如堂などが軒並み中止。そこで探し当てたのが宇治の平等院でした。

 昨年はツアーも散々な目にあいました。春は全面中止。秋も結局2回だけの実施になりました。果たして今年はどうなることやら。ツアーの成功とせめて健康だけは維持したいと除夜の鐘でコロナ退散を祈願しに夜中に平等院にやってきました。

 近くの駐車場はどこもがらがら。私が停めた駐車場は20台位停められましたが、1台しか停まっていませんでした。料金は夜は90分100円。そこから拝観の案内に沿って歩き正門に到着しましたが、3人しかいません。随分空いているな思ったのですが、調べてみると、南門から入るとのこと。早速移動。列に到着し最後尾に並んだのが、11:40頃でした。

 列は順調に進み、途中で年越し。前日まで大雪の予報もあり、寒さを心配していましたが、風もなく、寒さもそれほどでもなく、空はかなり晴れて、オリオン座がきれいに見えていました。そのまま南門をくぐると、鐘まではもう少し。前の人達の鐘の音が聞こえてきますが、あまり大きな音がしません。気合いが入っていない感じです。

 6人づつで区切って鐘を衝かせます。いよいよ我々の順番です。消毒スプレーを使うようにいわれ、櫓をくぐって鐘の前にいきます。頭をうちそうになるくらい狭いところをくぐります。鐘の前に進み出て撞木から出ている縄をそれぞれが持ちます。すると僧侶から「鐘がずれますので、あまり大きく衝かないで下さい」との指示。これで音が小さかった理由が分りました。

 普通なら1~2回反動をつけてから叩くが、一回で一気に引いて思い切り衝く!「ゴーン」良い音がした。満足。時計をみると、12時20分。わずか40分位の待ち時間だった。

 順路に従い帰り道を進むと、配りものがある。干支の牛の絵馬である。去年の黄檗の万福寺でも絵馬をもらった。宇治はこれがはやりかな。帰りも南口から出るが、このときには列はもう3分の1になっていた。これならすぐに順番が回ってくる。そうそう、トイレは寺の中にはないそうです。南口を出た近くにある公園のトイレが一番近いそうなので、ここで用を足して駐車場に向かう。途中警備員さんに聞くと、やはり今年は人が少ないそうです。

 今年も健康で過ごせるといいな。皆さんも良い年になるといいですね。

京大花山天文台へブライアン・メイさんが見学に来られました

天文博士の青木です。1月27日(月)の夕方にクィーンのギタリストであるブライアン・メイさんが京大花山天文台を電撃訪問されました。ブライアン・メイさんは、黄道光の観測的研究で博士の学位を取得しておられ、大変興味深く見学されていました。特に花山天文台の窮状について気にかけて下さり、 若い世代や子どものために花山天文台を残して宇宙への興味を持つための施設として存続すべきとの、心強い応援のお言葉を頂きました。その際に、本館45cm望遠鏡の支柱にサインを頂いています。4月から京大花山天文台ハイキングコースやらくらくコースを再開予定で準備中です。ツアーではサインを見て頂ける予定ですので、ぜひツアーへご参加下さい。花山天文台のウェブサイトで公開している記事がありますのでご覧下さい。なお、ブライアン・メイさんが花山天文台へお越しになった際のメディア報道(NHKニュース朝日新聞毎日新聞京都新聞)もあわせて覧下さい。ツアー関係者で言いますと、ブライアン・メイさんの隣に柴田教授がいるほか、反対側能登なりにガイドの梅本さんがいます。また、私(青木)もNHKニュースと毎日新聞の映像で少し映っています。ツアーへご参加頂くとともに、京都千年天文学街道の活動の拠点である花山天文台へのご支援もぜひお願い致します。

黄檗宗万福寺除夜の鐘

 今年は黄檗宗の総本山万福寺に除夜の鐘を衝きに行きました。今まではツアーに関連するお寺で衝いていましたが、今年は少し趣向を変えて、毎週弓道の練習で前を通っているのに、全く縁がなかった万福寺に決定。大晦日だけは拝観料もかからずに、奥まで見学できるのも私の趣味に合っている。

 京都から車で約40分。近くに車を停めて、万福寺の門に着いたのが11時5分前。中に入っていくと、既にかなりの人が並んでいる。約150人位かな。結構多いかな、と思ったが、更にどんどん列は長くなっていきます。

 整理券のことを書いていたガイドもあったが、ただ並んでじっと待つだけ。雨や風が無くて良かった!11時10分頃先頭が動く。庭の門が開いて、奥に入って行く。並んでいる人は300人位になっているだろうか。しかしここでまた待つ。係の人が「鐘を衝きおわった人に絵馬を渡す」と説明してくれる。35分頃にやっと先の方で鐘の音が響き、少しづつ人が前に動き始める。鐘が見えて来ると6人づつ順番に衝いているのが分る。鐘はそれほど大きくないので、鐘の音は少し高く上品に響く。

 やっと順番が来る。一番前だったので、鐘つき棒から伸びた紐のうち一番前の紐を持つ。6人で反動をつけずにいきなり大きく引いて鐘を衝く。アッと言う間に終わる。年が開ける5分位前だった。そのまま前に進むと、33回目の鐘撞きだったのが分った。そこで絵馬をもらう。すぐ先で願い事を書いて本堂の横に奉納できるのだ。

 しかしここのすごいのはそれだけでは終わらないことだ。本堂での読経を僧侶が総出で行うのだ。それをお堂の中に入って見ていたら、年が明けた。その後一人づつお経を軽く両肩に触り拝んでくれるのだ。みなが並ぶので、私もお祓いしていただいた。これで今年も良い年になりそうだ。

 それが終わると外で年越しそばを300円で用意してくれている。甘酒は無料でふるまっている。列に並んで甘酒をもらい、そのまま食堂に入り座っていただく。落ち着くとお土産や仏具を打っている売店を見学。その後再び本堂に戻ったが、僧侶は読経を続けている。それも独特のやり方だ。両手でお手玉の様にお経を行き来させるのだ。それもかなりのハイスピード。お手玉と同じくらいのスピードだ。こんなのは初めて見た。

 売店では何も買わなかったが、なかなか充実した大晦日と初詣だった。

なんと、マグマ大使に花山天文台登場

 びっくりの大発見です。手塚治虫氏の大作「マグマ大使」に花山天文台が登場するのです。あのテレビドラマにもなった漫画です。

 少し具体的にピックアップします。第17章「ブラック・ガロン現る」の最初の方に「花山天文台発表!!今朝4時頃白鳥座のデネブ星方向より東の空いったいにかなり大がかりな流星群が現れ三十分ほど続きました!!」 こんな風に突然出てくるのです。本当にびっくりしました。

 「マグマ大使」は昭和41年~42年に少年画報に掲載されたので、このころは花山天文台も有名だったのか、あるいは手塚治虫さんが花山と特別つながりがあったのかは分りませんが、三鷹天文台でなく、花山天文台というのが、なんとも嬉しいです。

 それとここで出て来る流星群の正体はなんだと思いますか。実はタイトルにもなっているガロンが小物体に分かれて、地球に送られて来たのです。ガロンと言えば、あの鉄腕アトムの好敵手。手塚作品に何度か出て来る、恐らく宇宙一強いロボット?です。 それを花山天文台が観測したのです!やったー!

 わたしは漫画が好きで、図書館で借りてきて古い作品を読んでいますが、それにしても手塚治虫はスゴイと改めて感心させられてます。例えばこのマグマ大使に出て来る「人間もどき」の発想は後のアメリカドラマの「インベーダー」の発想そのもの。これだけでなく多くの作品で独創的な発想でかつ全く違う想定の作品が次々と発表されていて、すごいの一言。

 今回はそんな中から花山天文台が出てきて、嬉しくて思わず書き込んでしまいました。皆さんも一度読んでみたらどうでしょうか。おもしろいですよ。

真如堂除夜の鐘

 今年も除夜の鐘を衝きに行って来ました。今回は真如堂。毎年千年街道の関係のお寺に行っているのと、昨年は隣の金戒光明寺に行った縁で決めました。

11時頃に近くの駐車場に到着。周りには結構停めるところがあります。そのまま真如堂の釣鐘に向かいます。

11時10分頃に鐘に到着。もう二・三十人が並んでいます。でもなぜか外人が多いのです。去年の金戒光明寺ではほとんど見かけなかったので、不思議な感じがしました。

真如堂は紅葉の綺麗なことで有名です。去年の秋にも大文字山に登ったときに、上からみると、真如堂だけがぽっかり赤く染まっていました。山を降りて、そのまま真如堂で紅葉見物しました。

11時半になると、僧侶が3人、鐘の台座に登り、準備を始めます。

11時40分ごろになると、続々僧侶が集まってきて、焚き木に火を入れ、煙が上がります。

全員が集まり、読経が始まります。分ったのは「色即是空」位でしたが、読経は意外と短く、1分強位。すぐに僧侶の鐘撞きが始まります。

実はこの梵鐘には謂れがあり、鐘の中ほどに抉り取った小さな穴が空いています。この穴は戦争で金属類を拠出したときに、梵鐘の材料を調べるために調査した跡なのです。それが残っているのです。千年街道のツアーではこれを見に行ってました。

さて、僧侶の鐘撞きが終わり、いよいよ一般の人の鐘撞きが始まります。順番に鐘の下に行き、4~6人がそれぞれ綱を握り、一緒に鐘を衝きます。僧侶の方が太い綱を持ち、「1、2の3」と声をかけて一気に衝きます。「ごーーーーん」と響きます。

いよいよ我々の順番です。5人一緒に衝きます。「ごーーーーん」響きました。12時少し前です。

階段を降りてくると長い列が出来ていました。薬湯のサービスがあり、ご馳走になります。でもはっきり言ってまずい。薬だから仕方ないか。年が明けて薬湯を飲み干して、無情息災を祈願しました。

駐車場に戻り、料金を精算すると100円でした。今年は良い年になりそうな気がしました。

金戒光明寺の五劫思惟阿弥陀仏

 昨日京都市内を歩いていたら、五劫思惟阿弥陀仏が「秋の特別公開」の観光案内用ポスターに使われていてびっくりしました。金戒光明寺の片隅にあるそれほど大きくない仏像です。調べてみると、アフロヘアの仏像として、WEBでは結構人気になっているのですね。金戒光明寺内に標識もでているようですが、三重の塔からずっと下りてきた右側にちょこんと鎮座しています。あまり目立つ場所ではありませんが、ふくよかな顔立ちは印象的です。

 実はこの阿弥陀さん、このホームページ内のガイド案内のページに使った写真に私と一緒に写っているんです。確認してみてください。これほど知られる前に先見の明があったと、一人悦に入っています。金戒光明寺をガイドしたときにも、結構時間を取って案内したお気に入りの阿弥陀さんです。

 五劫の意味ですが、うんと長い時間のことで、宇宙の広がりにつながり、寿限無の落語でも寿限無の後にすぐに出て来る名前が、この五劫です。囲碁でも永久に続く手に「劫」があります。将棋で言ったら「千日手」でしょうか。でも千日ではとても足りなくて、五劫は二百億年以上になる、まさしく宇宙の年齢の長さです。

 アフロヘアにも謂れがあります。螺髪と言って、阿弥陀さんが我々を救ってくれるために、悩みに悩んだために髪が螺旋になったそうで、悟りをひらいたしるしだそうです。そんなありがたい仏さまなんです。

 この仏像を紹介するのは、金戒光明寺をめぐる「神楽岡」コースだけで、見所満載の真如堂などと一緒に回りますので、機会があれば参加下さい。